【開発ストーリー】ゼロからの処方設計を実現した、TEUDU誕生までの軌跡
エスヴィータ株式会社代表 篠﨑祥子
TEUDUは自社で処方設計をゼロベースで行い、肌本来の力を取り戻すスキンケアを独自開発。初めてのものづくりで、たくさんの壁にぶつかりながらもここまで歩んできた、開発から今日に至るまでの道のりをお話しします。
2人の想いが合わさった、TEUDU誕生のきっかけ
TEUDUの構想が具体的に広がったのは、TEUDUの処方家・T博士との出会いがきっかけでした。役割は違えど、お互いに同じ化粧品業界において、様々なジレンマと戦ってきた背景がありました。
余計なものを加えずに、自然の持つ力を生かして、真の美しさを引き出すブランドを作りたいという私の想い。そして、研究者視点で追及してきた肌本来のあり方や、肌にとって最も有効的に働きかける特許成分の研究と、その技術を世に広めたいというT博士の想い。
「本当はこうあるべき」という2人の考えが合致し、「一緒にブランドを世に送り出そう」と強く決意を固めた日のことは、今でも思い出します。
決して簡単ではなかった自社での処方開発
TEUDUでは、自社で処方設計をゼロから行っています。
豊富な美容成分を、ただ入れるだけでなく一つ一つしっかりと働かせること。肌にダメージを与えず、これらの美容成分を殺してしまわない防腐の考え方。一つ一つを叶えようとすると、おのずと自分たちがゼロから処方を行わなければ、実現することはできませんでした。
そんな前代未聞にも思える挑戦で、理想と現実のギャップに常に向き合いながら、開発を行ってきました。
私たちは自社工場を保有していないため、自社で製品を生産することができません。その場合、化粧品OEM会社が持つ処方をベースに開発するケースが多いですが、TEUDUでは自社で処方設計したレシピを、化粧品OEM会社に生産していただくかたちで商品づくりを実現しています。
最初は化粧品OEM会社から難色を示され、開発が難航したケースが多々ありました。もちろん「その処方では引き受けられない」と依頼を断られることも。思い返すと、スタートラインに立てるまでの道のりは長かったなと思います。
処方において、TEUDUが最も大切にしていることは「日本古来の保存食の考え方をヒントに、防腐剤を使用せずに防腐効果を維持するバランス」です。一番大切だけど、一番難しいポイントだったなと思います。
防腐剤を使用していないため、処方を安定させるのが難しく、25回ほど試作を繰り返して完成した製品もあります。「TEUDU The Cleansing」においては「ようやくこれで完成!」と、商品化実現の目前で不快な香りに変化してしまい、最初からやり直したこともまだ記憶に新しいです。
シソを代表成分に選んだ理由
TEUDUでは、シソから抽出したエキスに工夫を加え、「進化型美肌菌エキス」として全製品に配合。提携農家さんにシソを育てていただき、原料抽出まで自社で行っています。
シソにはカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維、カリウムなどが豊富に含まれており、特にβ-カロテンの含有量は、植物の中でもトップクラスです。
もちろん肌にとっても有効で、抗炎症作用と収れん作用によって、肌のキメを整える効果も期待できます。さらに、抗アレルギー作用も認められており、アトピー性皮膚炎の症状が緩和されたという研究データも公開されています。
日本古来の植物であり、自然の持つ力で肌への効果を最大限発揮できるというのだから、まさにTEUDUらしい成分だと思い、キー成分とすることに決めました。
根底にあるのは、日本古来のものづくりの考え方
人間の体は、毎日食べるもので作られています。言葉にすると当たり前のように思えますが、近年は添加物などの技術が進歩する一方で、本当に大切な栄養価や健康が失われつつあるように感じています。
添加物は食品の味をよくしたり、色をつけたり、日持ちをよくしたり、現代の生活の中で「安く」「早く」「手軽に」食べられるようにするために必須な存在となりましたが、このような進歩は、素材本来の良さを見失っているのではないでしょうか。
無理に長持ちさせたり、美しく見せようとして不自然な成分を添加し続けていくと、結果的に体に余分なものが蓄積され、次第に不調につながっていきます。
これは肌にとっても同様です。テクスチャーや香り、美しい見た目にとらわれてしまい、肌が本来必要とするものを無視していないでしょうか。配合成分は、正しく肌に作用しているのでしょうか。
そんな想いを巡らせて辿り着いたのは、日本古来のものづくりの考え方でした。日本には、自然の持つ力を生かして、美味しさや保存力を維持してきた誇るべき技術があります。
だからこそその技術を活かして、極力自然界にあるものをそのまま取り入れながら、心身共に健康で美しく過ごせるものを作りたいと願い、処方開発を行いました。
納得いくまで向き合い続けた開発の日々は、大切な宝物
まだまだ開発エピソードはたくさんありますが、何よりも様々な方の協力と努力があったからこそ、TEUDUを完成させることができました。
T博士やOEM会社の方から「この処方でもう大丈夫!」と言われても、自分自身が納得いくまで試作させてほしいという私のスタンスに、呆れずに寄り添ってくださったことは、今でも心から感謝しています。「納得できないならば、商品化は急がない方がいい。」という言葉にも助けられ、ここまで開発を続けてきて本当に良かったと思います。
今日に至るまで、T博士とは何度も話し合いを重ね、時には意見がぶつかることもありました。それでも、様々な可能性や希望を感じて、ワクワクしながら開発ができた日々が何よりも宝物です。